不動産管理や仲介の現場で、契約書や重要な書類を郵送する場面はよくありますよね。2024年10月から日本郵便の郵送料金も値上がりし、郵送方法について見直しを始めている会社様も多いのではないでしょうか。

契約書の送付には法律上のルールがあり、それを守らないと信頼を損なったり、場合によっては違法と判断されるケースもあります。そこで今回は、賃貸取引で扱う契約書などの書類の正しい送付方法と、その際に注意すべきポイントについて解説します。

 

―郵送時に気をつけたい3つのこと―

 

1.契約書は「信書」に該当します

 

「信書」とは、郵便法第四条第2項において「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義されています。会報誌やパンフレットなどは信書に該当しませんが、特定の相手に対して送付する「契約書」は信書に該当します。

賃貸取引で扱う文書の中で、信書に該当する例を以下に記載しました。これらを送付する際は法律に基づいた方法で送る必要があります。

 

2.「信書」の郵送ルールを理解する

 

現在、信書を送ることができるのは日本郵便株式会社と国が許可した一部の信書便事業者のみとなります(郵便法第四条)。違反した場合は「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」と定められています(郵便法第七十六条)。 

*参考 総務省「信書の送達についてのお願い」

 

*郵便法違反に問われた事例
2009年、埼玉県の女性職員が「信書」を某運送会社のメール便で送付。受け取った男性が県警に告発した。県警は、県と女性職員、運送会社と従業員を書類送検した。

発送元と配達業者も郵便法違反に問われたケースでした。信書を送る際には「正しい方法」を理解しておく必要がありますね。

 

3.適切な郵送方法を選択する

 

賃貸契約に関わる契約書には個人情報も入っており、万が一紛失となればオーナー様や入居者様との信頼関係にも影響が出ます。そのため、社内規定により発送したことが証明でき、配達記録が残せる送付方法で送るよう義務付けている会社も少なくないです。

 

日本郵便の郵送方法で比較すると、追跡記録がついている郵送方法は特定記録郵便、レターパックや簡易書留です。料金は多少割高とはなりますが、追跡記録を残すことができるので契約書など重要書類の送付には適しています。

他にも、郵便局の窓口を通さずにポスト投函ができる方法を選べば、時間や場所にとらわれずに最短で発送することが可能です。また、オーナー様や入居される方が最短で書類を受け取れるには、土日・祝日も配送可能かどうか、配達方法は郵便受けか対面かも判断軸に入れることをおすすめします。

それぞれ会社の方針に合わせて適切な郵送方法を選んでみてください。

 

郵送コストが心配…

 

大切な契約書を送るために追跡可能な郵送方法をご紹介しましたが、一つ問題になるのはその送付にかかるコストです。
賃貸取引の契約では署名する登場人物も多く、何度も郵送のラリーが発生するため、1つの契約にかかる郵送コストは他業界と比べても高いです。

このような郵送コストのお悩みは、電子化によって解決することができます。
詳しくはキマルームにお問い合わせください。